ハンドニットの魅力

金子 茂 2020.12.15

こんにちは。

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

All night BEAMS PLUS 月曜日を担当しますバイヤーのサミュエル金子です。

皆様先週はいかがお過ごしになりましたか?

私は家族で大きな本屋にいきました。

そこではクリスマスの打ち出しが行われ、子ども用の飛び出す絵本が数多くラインナップされていました。

私も自分が子供の時以来、飛び出す絵本を見たのは久々でしたが、最近の飛び出す絵本のクオリティーの高さに驚かされました。

”だれも知らないサンタの秘密”こちらがお子様がいる方にはお勧めです。

飛び出してきた絵本の中にサンタの秘密が隠れている内容なのですが、とにかく立体感ある仕掛けと温もり感じられる描写に私の娘も夢中になっていました。

来週はいよいよクリスマスですね。



今週も退屈しのぎでも構いません(笑)。レギュラーメンバーから新作アイテムや洋服の楽しみ方をお伝えさせていただきます。

気温低下と共にニットが楽しめる時期になってきました。

私もローゲージやミドルゲージのニットを頻繁に着用している今日この頃。

本日はそんな中から、ハンドニットと言えばのブランド<インバーアラン>をご紹介させていただきます。

まずは簡単にブランドやアランセーラーの歴史について説明をさせていただきます。

インバーアラン社は、スコットランドの特徴ある伝統的、且つベストクオリティーなニット製品を<インバーアラン>ブランドの名のもとに集めることにより始まりました。

代表的なアランセーターのパターンは、古くは9世紀初期のスコットランド史にすでに記録されているそうです。

その後パターンは、スコットランド東部沿岸地方、スコットランド西部沿岸地方とアイルランドの2つに分かれていきました。

スコットランドは、ヨコ編みが主でそれぞれの漁村ごとのパターンができ、アイルランドではタテ編みが主でファミリーごとの職業をあらわすパターンができました。

19世紀後半になるとスコットランド東部沿岸地方の漁師の妻たちが、丸編みでシームレスのガンジィーニットに漁村毎のパターンを加え編みはじめました。

アランセーターは、フィッシャーマン・セーターでもあり、漁師である家族はこれを着用し漁に出ました。

海南事故にあったとしても、パターンで人物を見分けることが出来たと言われています。

アランセーターのパターンにはそれぞれに意味があり、それは何世紀にもわたりアランセーターを編んで着ていた人々の厳しくも、尊い生活を映し出したものとなっています。


↑ブランドのロゴデザインにもなっているスコットランドの伝統的な水車。<インバーアラン>のオフィスもこの近隣にあります。


<インバーアラン>と言えばハンドニット。

1人のニッターが、少なくとも25,000ステッチからなる1枚のニットを約90時間かけて編み上げます。

編み上げるニットの難易度に合わせて、適任なニッターが選ばれ製品化されています。

日本のマーケットに入ってきている製品は、ハンドニット特有の個体差が出ないように経験豊かなニッターのみで編んでいます。

もちろん、すべて完全なハンドメイドのため1点ごとに固体差は多少ありますが、またそれも1点1点ニッターの個性、特徴、雰囲気が出たハンドニットの魅力です。

製品には全て担当したニッターのサインが入った証明札も付いています。

また<インバーアラン>は品質の高さから<ラルフ ローレン>のOEMも手掛けていたことは有名です。

そしてご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、<インバーアラン>は現在イギリス国内の事情によりハンドニットの工程のみスコットランドからインドに変更になりました。

現在は素材の紡績・染色をイングランドで行い、素材をインドに送りハンドで編み上げ、ニット製品の品質確認、プレス、ボタンなど仕上げ工程をスコットランドで行っています。

ビームス プラスで販売している商品は、過去にオーダーしたものなのでスコットランド製になりますが、こういった生産国の変更は数々のブランドで経験してきました。

以前違うブランドの商談時に別注商品の生産国について議論したことがあります。

その時の先方のディレクターからの言葉”クオリティーファースト”は、今も私の仕事での指針となっています。

<インバーアラン>も時代と共に変化し、今現在お客様に提供できる品質、価格の最良とされるクオリティーで物作りをしています。

且つ環境問題が取り沙汰される今、サステナブル(Sustainable) を単純にエコという意味ではなく「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」という本来の意味で考えたときに、<インバーアラン>は貢献できるブランドとなっています。

糸からボタンまで全て天然素材の物を使用しているため自然環境に還元する素材使い。

ハンドニットのため編立て時に機械を使用しないので、電気量も少なく環境にやさしい物作り。

インドで編むことで、インド国内での社会的雇用に貢献。

そして何より何十年も着ることができる洋服ということです。


それでは、商品の紹介にいきたいと思います。

ビームス プラスでは、スコットランド製の在庫がまだ豊富にございますので、そちらを販売しています。

まずはインバーアランスタイル1Hのクルーネックモデル。

元々あるスタイル1Aをベースに日本用にサイズスペックを変更したモデルのため語尾にHが付きます。

Aから数えると8番目になるため、その間に6モデルも気になります。

それを探すのも面白いかもしれません。(笑)

クルーネックスタイルは、アランセーターの元となったガンジーセーターに多いスタイルで、クラシックな雰囲気を楽しんでいただけます。


こちらは伝統的なシェットランドウールの糸を使用しています。

英国羊毛をベースに国内で紡績された糸は、英国羊毛の持つ絶妙な色合いのブレンドが魅力です。

INVERALLAN / シェットランド クルーネックニット
カラー:WHITE、M.GREY、BLACK、NAVY
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
価格:¥68,000+税
商品番号:11-15-0423-263

こちらがスタイル6Hのショールカラーカーディガンモデル。

二重の襟と前空きタイプのため着脱もしやすくアウターに最適です。

こちらも語尾にHの文字が入り、ネック部分を締めれるようにボタンを1つ追加したモデルになります。

ボタンが付くことでネック周りの保温性が上り、寒い時期にはとても便利な仕様です。

ショールカラーで上品なルックスが魅力です。

糸はブランド定番のアラン糸を使用しています。

伝統的な製法で太く縒り合わせられた未脱脂の糸は、しっとりとした手触りで防水性にも優れていて、通気性がありながら他の糸に比べて風を通しにくいのも特徴です。

INVERALLAN / 6H ショールカラー カーディガン
カラー:NATURAL、BLACK、NAVY
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
価格:¥70,000+税
商品番号:11-15-0418-263


こちらがスタイル3Aのカーディガンモデル。

こちらは一枚襟なのでネック周りがかさ張らず、上からアウターを羽織りやすくインナー使いもお勧めです。

勿論アウター使いはできるため、コーディネートの幅が広く万能なモデルです。

こちらも糸はアラン糸を使用しています。



INVERALLAN / 3A アランカーディガン
カラー:NATURAL、NAVY
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
価格:¥69,000+税
商品番号:11-15-0422-263


こちらのモデルはドネガルツイードの糸を使用した3Aモデル。

ドネガルツイードは糸の太さにムラがあり、カラフルなネップが魅力です。



私はオーセンティックなクルーネックが好みです。

コーディネートは海のワークスタイルフィッシャーマンを意識し、インナーにスウェットフーディーや、スモックをレイヤードしクラシックな着こなしを楽しんでいます。



またクリスマスが近いということで、女性にギフトとしていかがでしょうか?

ビームス プラスでは、女性にも丁度良いサイズ32(XXS)からご用意しております。

ビームス ボーイ 原宿スタッフのタカハシさんに着用していただきました。

身長151cmで小柄な彼女ですが、サイズ34を少しゆったりとした女性らしいフィッティングでコーディネートしてくれました。

ストライプのロングシャツとの合わせがとてもクリーンな印象で私とは正反対です。(笑)

これも着こなしの幅があるアランセーター楽しみ方です。



「<インバーアラン>をクリスマスギフトでいただけたら、私だったら嬉しすぎて泣きます!ずっと着れる物だし、女性はハンドニットって言葉に弱いと思います!(笑)」

タカハシさんからも太鼓判を押していただきましたので、クリスマスギフトをまだ決められていない方には是非お薦めです。


ブログを最後までご覧いただきありがとうございました。


インバーアラン

ハンドニッターの個性ある温もりと立体感

編み柄に隠されたストーリー

袖を通した人にしかわからないオンリーワンの秘密


気になった方は是非店頭又はオンラインストアをチェックしてみてください。



サミュエル金子