EXTRA!EXTRA!! 〜Part2〜

Masao Mimoto 2021.06.06

こんにちは、Mimotoです。


以前から、こちらでもご紹介をさせて頂いています『BEAMS PLUS TIMES』

本日はEXTRA(号外)という事で、この5月に配信された〈ALDEN〉特集号での幻となってしまった、自分が寄稿したボツ記事をこちらでそのまま掲載させて頂きます。ちなみに、ボツ理由は。。。文章長過ぎ!ということでしたw


ということで、本日は先週に引き続きEXTRA(号外、記事はそのまま掲載)にどうぞお付き合いください。



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今回の特集〈Alden〉について記事を書くということで、どんな事を書けばいいのかと思いつつ、そういえば今自分は何足所有しているのだろう?どういったラインナップだった?と。


それなら〈Alden〉含め、他のシューズも一緒に手入れでもしようと久々に靴棚と向き合ってみました。シューズの手入れを最近出来ていなかった事もあり、サボっていた自分に喝を入れつつ作業をすること半日。しっかりと手入れを終えた後の爽快な気分はなんともいえないですね。また次の日から、どのシューズを履こうか楽しみになります。


で。。。肝心の〈Alden〉は今手元に何足あったのか?!というと合計17足でした。


『そんなにも持っているの?!』

『意外と少ないね!?』

『そんなに必要ないでしょっ!』

『どんなモデルがあるの??』

『レアカラー コードヴァンとかもあるの?』


恐らく色んなご意見があると思いますがwとにかくこの記事を読まれている方にも〈Alden〉の魅力に惹きつけられている方も多いのではないでしょうか。


さて、かなり前置きが長くなりましたが、今回は記事を書いているのは自分だけではありませんので、〈Alden〉の何につい書こうかと思い考えました。冒頭に17足あると書いたものの、最近よく履いているモデルは〈BEAMS PLUS〉の別注サドルの3型と、〈BEAMS PLUS〉では扱いのない通称ミシガンブーツと呼ばれているモックトゥのブーツ タイプです。もちろん他の〈Alden〉を全く履いていない訳ではないんです。ただ、今は圧倒的にこの4型を履いている事が多いですね。普通ならここで、扱いのあるサドルについて何故ヘビーローテーションしているのか?みたいな事を書くのですが、今は全くというか、ある理由で最近履いていなかった#8 ペニーについて書いてみようと思います。


正直、〈Alden〉については色んなトコロで様々な事が書かれていたり、情報を得る事が出来るので、あくまで個人的な事を書かせて頂きたいと思います。


いきなりですが、自分の足のサイズが10 ½ になり、日本ではかなり大きいサイズなんですよね。余談ではありますが、欧米では全くそんな事もなく、むしろBOSTON出張で行った〈Rancourt〉では、『君のサイズはよく売れるサイズなんだよ。』という事を教えてもらいました。残念ながら、日本ではなかなか普通に手に入れることの出来ないサイズなんですが。。。


しかし〈BEAMS〉入社してからというもの、中々手に入れる事が出来なかったサイズが、ありがたい事に〈BEAMS PLUS〉で10 ½ もしくは11までサイズの取扱いがあり、結果としては人生初のコードヴァンを手にする事が出来ました。そのモデルこそが#8 ペニーだったんです。当時で〈Alden〉は2足目。初のコードヴァンで、当時は欲しくて欲しくて仕方がなかったモデル、本当に嬉しくてとにかく履きに履きまくった事を覚えています。購入して恐らく10年が経ったので、販売員が呪文の様に唱える?!俗に言う10年選手という事になります。オールソール交換を一度行っていますが、上手くいけばあと1回、2回は!?まだオールソール交換出来ると思うので、30年は履けるのではないでしょうか!?



手入れに関しては、個人的には鏡面磨きなどはせずに、普通の手入れで楽しんでいます。まぁ簡単にいうとサッと手入れしてサッと磨けば光るからという理由ですwその方が色んな意味でアメリカ的だと考えています。(コレについてはまた別の機会にお話する機会がありましたら。。。w)ちなみに、多少の雨も全く気にしませんし、何ならゲリラ豪雨や、天気予報を全くチェックしなかったせいで何度もズブ濡れになった事も何度もあります。もちろん必要最低限の手入れをしながら大事に扱っていますよ。あと、購入してから全く色を足していません。最低限の手入れで履くほどに変化していくコードヴァンが、どんな雰囲気になるのか楽しみなんですよね。周りにもそんな扱いのスタッフもいなかったこともあり。。。


ちなみに、有楽町で勤務していた時に先輩からとある〈BEAMS〉古参スタッフは『ベランダでコードヴァンを天日干しして色を抜いてるよ。』と、教えてもらったことがあります。何故そんな事をワザワザしているのかは追求しませんでしたが。。。wそれなら自分は色を足さず、履き続け使い続けた結果どんな変化をするのをやってみよう!って。そんなこんなで今現在では、#8バーガンディというより、あずき色?!色も随分と抜けています。色も均一ではなくマダラで、モックトォのステッチまでもすっかり色抜けして白くなっています。


そんな感じで、アメリカ東部の学生のようにと言いますか、バンカラと言いますか、そんな感じでコードヴァンであってもローファーはローファーらしく扱い、履くというのが自分的楽しみ方。


ところが数年前、ショッキングな事件が。。。


仕事帰りの歩いている時に、思いっきりカカトを踏まれる事故に遭ってしまいます。ちょうど地面を蹴って足を上げる瞬間に後ろからカカトを踏まれてしまったので、カカトを固定されたまま足を前に蹴り出そうとした為に、甲の部分のストラップが裂けてしまうという事態に。。。


これは流石にショックでしたw


ガッツリ1.5センチから2センチほど裂けてしまったんですよね。靴の特徴からただでさえユルイ履き心地が、歩くたびに脱げる脱げるwただ、落ち込んでばかりもいられず、しかも流石にもう一足買い直す訳にもいかずということで、早速修理に出して見る事に。流石に靴の修理でもこんな事を経験した事がなかったので、それなら〈BEAMS〉でお世話になっている修理業者さまに直接持参し、色々と直接教えてもらいながらお願いすることにしました。


有名な話ですが、とある皇族の継ぎ接ぎされたシューズがありますよね。そんな逸話とは少し違うかもしれませんが、苦労して手にした#8 ペニーはどんな感じで仕上がるのか?!事故に遭った時はショックで仕方がなかったですが、もうこの時点では楽しみで仕方がなかったんですよね。


修理に預けてから数日、修理が仕上がったということで受け取りに。



画像を見て頂くと、もうハッキリとその修理後が確認できます。その仕上がりは何とも大胆w例えるなら5ポケット ジーンズのバックポケットの縫製に見られるバータックのようです。修理の説明を受けた際にある程度は覚悟していたのですが、ここまで大胆とは想像はしていませんでしたwそれでも、元々の自身の〈Alden〉の楽しみ方を考えると、十分過ぎる仕上がりです。むしろ愛着が湧いてくるぐらいで、これも自分らしい〈Alden〉の経年変化だと思っています。ちなみに、履いていると、やっぱりストラップ部分は負荷がかかりやすい場所という事もあって、ガンガン履いた結果、修理箇所の脇部分からまたもや裂け始めてしまっています。


冒頭にも書きましたが、最近はもっぱら別モデルをとにかく履いていて#8 ペニーから遠ざかっていましたが、季節的にも調子いい時期なのでヘビーローテーション確定ですね。早く修理にだしてあげないとですね


本当にごくごく個人的な〈Alden〉の話になってしまったので、最後に少しだけBOSTON出張で〈Alden〉本社・工場を訪れた時のお話を。


数年前に連れていってもらったBOSTON出張。出張後半戦だった〈Alden〉の本拠地に到着し、商談の前に工場見学をさせてもらいました。〈Alden〉の靴が出来上がるまでの一通りを説明してもらいながら、実際に見させてもらう事ができた時の話です。もちろんペニーのモックトォ ステッチを施しているところも見学させてもらった時のこと。

もちろん、以前からこの工程における職人の方が限られていて、オーダーリクエストに対して生産が追いついていない事は認識していました。きっとご存知の方も多いと思います。


確かにその現場を見て、目印を付けずに正確にしかも均一に縫い上げていく作業はすごいなぁと感心しながらも、もっと感心したことがありました。それは、よくよく考えると当然な事かもしれないのですが、このトゥルーモック ステッチの工程が、靴の生産工程では最後の方に行われるという事になります。ただでさえ供給数が少ないホーウィン社のコードヴァン、しかもトゥルーモックステッチを出来る職人も少ない。正直、このステッチ作業を失敗したら。。みたい事を考えると結構なプレッシャーだなぁと思ったんですよね。失敗すると、最後の最後で出荷出来なくなってしまいますから。。。

まぁ、それでも職人の方は手際良く、且つ迷いもなくスイスイ縫っていくので、驚きが積み重なっていくばかりでしたがw


今、コロナでアメリカも大変な事になっていてBB社もアメリカ生産のウェアを止めてしまい、蜜月の関係とも言える〈Alden〉の今後も少し心配にはなりますよね。そんな時に嬉しい一報の特集号ともなり、ちょっと一安心!?です。


そんなこんなで、今月の『BEAMS PLUS TIMES』の〈Alden〉特集号!皆さま、ぜひ〈Alden〉を手に入れていただいて楽しんでもらいつつ、彼らにエールをおくりませんか?


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とまぁ、こんな感じです。改めて読み返すと長いですね。。。気軽にサッと読める感じではなかったので、ボツになっても仕方がないですよねwまぁ、この記事を読んでもらった数人のスタッフからオモシロイと慰めてもらえたので良しとしています。とにかく久々に入荷のあった〈Alden〉

思い返せば〈BEAMS PLUS〉に携わり始めた若かりし頃、コードヴァンが珍しいとか、独特の艶が、シワの入り方が。。。とかでは無く、様々な靴の製法、グッドイヤーウェルトの構造、アメリカ靴の特徴、ファッションとシューズの関係性、年代ごとの移り変わり等など本当に多くを学んだ記憶があります。特に〈BEAMS PLUS〉の顧問であり、日本に〈Alden〉を始めて持ち込んだ方の教えは、それが理解出来ていて初めて一人前だという事でした。

今もまだまだ知らない事だらけで日々勉強して楽しく過ごしてますが、こうやって〈BEAMS PLUS〉が次世代へ続くレーベルとして進んで行けたらなぁ〜と、靴の手入れをしながら思ったりも。


一応、今現在少しだけコードヴァンのペニーローファーの在庫があるみたいです。ごくごく限られた在庫になります、あらかじめご了承ください。お問い合わせは、ビームス プラス 原宿・ビームス プラス 有楽町までお願いします。

品名:〈Alden〉 ×〈BEAMS PLUS〉コードヴァン ペニーローファー

品番:11ー32−0286−339

色 :バーガンディ

価格:¥123,200−(税込)




Mimoto